新卒で入った部下が言うことを聞かないのは、本当に頭が痛い問題ですよね。
何度指示しても期待通りにできないし、もう教育を諦めて放置してしまいたいという気持ちよくわかります。
できることなら、手のかからない優秀な部下に育ってほしいですよね。
実は、言うことを聞かない部下を適切な方法で指導すれば問題行動を改善できます。
部下の行動パターンと心理を理解して正しく対応すれば、放置という選択肢を取る必要はありません。
そこで今回は、「言うことを聞かない部下への効果的な対処法」をご紹介します。
部下が指示に従わないなら、まずは原因を把握して段階的な改善を図るようにしましょう。
- 言うことを聞かない部下の特徴と心理的要因を理解できる
- 部下を放置することで生じるリスクを把握できる
- 効果的な部下指導の具体的手法7選を習得できる
言うことを聞かない部下の特徴

言うことを聞かない部下には、共通する行動パターンや性格的な傾向があります。
これらの特徴を把握することで、適切な対応策を検討できるようになります。
まずは問題のある部下がどのような特徴を持っているのかを整理してみましょう。
- 自己中心的
- 指示に従わない
- ミスを人のせいにする
- やる気が見えない
- 遅刻や欠勤が多い
自己中心的
自己中心的な部下は、自分の都合を最優先に考えて行動します。
このタイプの部下は、チーム全体の利益よりも個人の事情を重視するため、組織運営に支障をきたします。
たとえば、締切が迫っているプロジェクトでも「今日は早く帰りたい」という理由で残業を拒否したり、会議中に関係のない私用電話に出たりします。
自己中心的な思考パターンを持つ部下には、組織における協調性の重要性を伝える必要があります。
指示に従わない
指示に従わない部下は、上司からの業務命令を無視したり、勝手に変更したりします。
このような行動は、業務の統一性を損なうだけでなく、管理職としての権威を失墜させる原因となります。
具体的には、決められた手順を無視してオリジナルの方法で作業を進めたり、報告義務を怠って独断で判断を下したりします。
指示に従わない部下に対しては、明確なルールと期限を設定することが大切です。
ミスを人のせいにする
ミスを人のせいにする部下は、責任転嫁によって自分を守ろうとします。
このような態度は、チーム内の信頼関係を悪化させ、他のメンバーのモチベーション低下を招きます。
仮に資料作成でミスがあった場合、「前任者からの引き継ぎが不十分だった」「他部署の情報が間違っていた」などと他者に責任を押し付けます。
責任転嫁する部下には、ミスから学ぶ姿勢の重要性を教える必要があります。
やる気が見えない
やる気が見えない部下は、業務に対する積極性や向上心が欠けています。
このような状態が続くと、職場全体の士気に悪影響を与え、生産性の低下につながります。
例として、新しい業務を任されても「どうせできない」と最初から諦めていたり、改善提案を求められても「今のままでいい」と消極的な発言を繰り返します。
やる気のない部下には、小さな目標設定から始めて達成感を味わわせることが効果的です。
遅刻や欠勤が多い
遅刻や欠勤が多い部下は、基本的な社会人としての責任感が不足しています。
頻繁な遅刻や欠勤は、業務スケジュールの調整を困難にし、他のメンバーに迷惑をかけます。
具体的には、月に数回の遅刻を繰り返したり、体調不良を理由に急な欠勤を多用したりする行動が見られます。
遅刻や欠勤の多い部下には、勤怠管理の重要性と改善計画について話し合うことが必要です。
部下が言うことを聞かない心理とは

部下が指示に従わない背景には、様々な心理的要因が隠れています。
表面的な問題行動だけでなく、その根本原因を理解することが重要です。
部下の心理状態を把握することで、より効果的な指導方法を見つけることができます。
- 自信がない
- 意図がわからない
- ストレスが溜まっている
- 上司を信頼できない
- ミスや叱責への恐怖心
自信がない
自信がない部下は、失敗への恐怖心から指示を受け入れることができません。
このような心理状態では、新しい挑戦を避けて現状維持を選択する傾向があります。
たとえば、プレゼンテーションを任されても「自分にはできない」と最初から拒否したり、簡単な業務でも何度も確認を求めて決断を先延ばしにします。
自信のない部下には、段階的にスキルアップできる環境を整えることが大切です。
意図がわからない
意図がわからない部下は、指示の背景や目的を理解できずに混乱しています。
このような状況では、表面的な作業は行っても、本来の目標を達成することができません。
具体的には、「資料を作成して」という指示に対して、何のために使う資料なのか、どのような内容が必要なのかを把握できずに的外れな成果物を提出します。
意図が伝わらない場合は、指示の背景や目的を丁寧に説明する必要があります。
ストレスが溜まっている
ストレスが溜まっている部下は、精神的な余裕を失って適切な判断ができません。
過度なストレスは、集中力の低下や感情的な反応を引き起こし、業務パフォーマンスに悪影響を与えます。
例として、家庭の問題や金銭的な悩みを抱えている部下が、職場でも集中できずにミスを繰り返したり、些細なことで感情的になったりします。
ストレスを抱える部下には、話を聞く時間を作り、必要に応じて専門機関への相談を勧めることが重要です。
上司を信頼できない
上司を信頼できない部下は、指示や評価に対して疑念を抱いています。
信頼関係の欠如は、コミュニケーションを困難にし、チーム運営に深刻な問題を生じさせます。
仮に過去に約束を破られた経験がある部下は、新しい指示に対しても「また裏切られるのではないか」という不安を抱き、消極的な態度を取ります。
信頼を失った上司は、一貫性のある行動と誠実な対応で関係修復に努める必要があります。
ミスや叱責への恐怖心
ミスや叱責への恐怖心を抱く部下は、積極的な行動を取ることができません。
過度の恐怖心は、創造性や主体性を阻害し、指示待ちの受け身な姿勢を生み出します。
具体的には、過去に厳しく叱られた経験から、新しい提案や改善案を出すことを避けて、最低限の業務しか行わなくなります。
恐怖心を持つ部下には、失敗を学習機会として捉える職場環境を作ることが必要です。
言うことを聞かない部下を放置するリスク

問題のある部下を放置することは、一時的には楽に感じるかもしれません。
しかし、適切な指導を怠ることで、より深刻な問題が発生する可能性があります。
放置によるリスクを理解して、早めの対応を心がけることが重要です。
- 業務効率が低下する
- ミスやトラブルの増加
- 他メンバーへの悪影響
- 上司の評価が下がる
- 社内の秩序が崩壊する
業務効率が低下する
業務効率が低下すると、チーム全体の生産性に深刻な影響を与えます。
一人の問題が全体の業務フローを滞らせ、目標達成を困難にしてしまいます。
たとえば、指示に従わない部下が独自の方法で作業を進めることで、他のメンバーとの連携が取れずに全体のスケジュールが遅れてしまいます。
業務効率の低下を防ぐためには、問題の早期発見と迅速な対応が必要です。
ミスやトラブルの増加
ミスやトラブルの増加は、企業の信頼性に直接的な損害をもたらします。
適切な指導を受けていない部下は、同じような間違いを繰り返す傾向があります。
具体的には、品質チェックを怠った製品が顧客に届いてクレームが発生したり、重要な会議の資料に誤った情報が含まれて取引先に迷惑をかけたりします。
ミスやトラブルを防ぐためには、継続的な教育と品質管理体制の構築が欠かせません。
他メンバーへの悪影響
他メンバーへの悪影響は、チーム全体のモチベーション低下を引き起こします。
問題のある部下を放置することで、真面目に働く他のメンバーが不公平感を抱くようになります。
例として、遅刻を繰り返す部下が注意されないことで、他のメンバーも「自分だけ真面目にやるのは馬鹿らしい」と感じて勤務態度が悪化します。
チーム全体の士気を維持するためには、公平で一貫した指導方針を徹底することが重要です。
上司の評価が下がる
上司の評価が下がると、キャリアアップや昇進に大きな支障をきたします。
部下の管理能力は、管理職としての重要な評価項目の一つとして位置づけられています。
仮に部下の問題行動を改善できずにプロジェクトが失敗した場合、直属の上司である自分の管理能力に疑問を持たれてしまいます。
管理職としての評価を維持するためには、部下の指導に積極的に取り組む姿勢を示すことが必要です。
社内の秩序が崩壊する
社内の秩序が崩壊すると、組織運営に致命的な問題が生じます。
一人の問題行動を放置することで、他の社員にも悪い影響が広がっていきます。
具体的には、ルールを守らない部下を野放しにすることで「この会社はルールが曖昧だ」という印象が広がり、全社的に規律が緩んでしまいます。
組織の秩序を守るためには、問題行動に対して毅然とした態度で対応することが不可欠です。
言うことを聞かない人の適切な扱い方7選

問題のある部下に対しては、感情的になることなく冷静な対応が求められます。
適切な指導方法を身につけることで、部下の行動改善を促すことができます。
効果的なアプローチを実践して、建設的な関係構築を目指しましょう。
- 行動を観察する
- 対話で原因を探る
- 明確な指示を出す
- 小さな成功体験を積ませる
- フィードバックをこまめに行う
- 自主性を尊重する場面を作る
- 放置とのバランスを考える
行動を観察する
行動を観察することで、問題の根本原因を正確に把握できます。
感情的な判断ではなく、客観的な事実に基づいた対応策を立てることが重要です。
たとえば、部下の1日の行動パターンを記録して、どのような場面で問題行動が発生するのかを分析します。
継続的な観察により、効果的な改善策を見つけることができます。
対話で原因を探る
対話で原因を探ることで、部下の本音や悩みを理解できます。
一方的な指示ではなく、双方向のコミュニケーションを心がけることが大切です。
具体的には、「最近調子はどうですか」「何か困っていることはありませんか」といった開かれた質問から始めて、部下が話しやすい雰囲気を作ります。
対話を通じて信頼関係を築くことで、問題解決への道筋が見えてきます。
明確な指示を出す
明確な指示を出すことで、部下の混乱や誤解を防ぐことができます。
曖昧な表現は、期待と現実のギャップを生み出す原因となります。
例として、「早めに資料を作成して」ではなく「明日の午後3時までに10ページの企画書を作成して」と具体的に伝えます。
明確な指示により、部下も目標を理解して行動しやすくなります。
小さな成功体験を積ませる
小さな成功体験を積ませることで、部下の自信とモチベーションを向上させます。
いきなり大きな課題を与えるよりも、達成可能な目標から始めることが効果的です。
仮に営業成績が低迷している部下には、まず既存顧客への挨拶回りから始めて、徐々に新規開拓へと段階を上げていきます。
成功体験の積み重ねが、部下の成長を促す最も確実な方法です。
フィードバックをこまめに行う
フィードバックをこまめに行うことで、部下の行動修正を早期に促せます。
問題が大きくなってから指摘するよりも、小さな段階で軌道修正することが重要です。
具体的には、週に1回程度の定期面談を設けて、良い点と改善点を具体的に伝えます。
継続的なフィードバックにより、部下の成長スピードを加速させることができます。
自主性を尊重する場面を作る
自主性を尊重する場面を作ることで、部下の主体性と責任感を育てます。
すべてを管理するのではなく、部下が自分で判断できる機会を提供することが大切です。
たとえば、プロジェクトの一部分を任せて「方法は君に任せる」と伝えることで、部下の創造性と やる気を引き出します。
適度な裁量権を与えることで、部下の成長を促すことができます。
放置とのバランスを考える
放置とのバランスを考えることで、過干渉と無関心の両極端を避けられます。
適切な距離感を保ちながら、必要な時にサポートする姿勢が重要です。
例として、基本的な業務は部下に任せつつ、重要な局面では積極的にアドバイスを提供します。
バランスの取れた指導により、部下の自立性と安心感の両方を育むことができます。
部下に信頼される上司としての心構え

信頼される上司になるためには、自分自身の行動と態度を見直すことが必要です。
部下との良好な関係は、一方的な指導ではなく相互の信頼関係の上に成り立ちます。
日々の行動を通じて、部下から尊敬される管理職を目指しましょう。
- 公平で一貫性を持つ
- 部下の話をしっかり聞く
- 頭ごなしに怒らない
- 認める・褒める習慣を持つ
- 自分も成長し続ける姿勢を示す
公平で一貫性を持つ
公平で一貫性を持つことで、部下からの信頼と尊敬を獲得できます。
好き嫌いによる判断は、チーム内に不公平感を生み出し、士気の低下を招きます。
具体的には、同じミスをした部下に対して、誰に対しても同じ基準で注意や指導を行います。
一貫した対応により、部下は安心して業務に取り組むことができます。
部下の話をしっかり聞く
部下の話をしっかり聞くことで、相互理解と信頼関係を深めます。
一方的に話すのではなく、部下の意見や提案に耳を傾ける姿勢が重要です。
たとえば、部下から業務改善の提案があった時は、最後まで話を聞いてから建設的なフィードバックを行います。
傾聴の姿勢により、部下も積極的にコミュニケーションを取るようになります。
頭ごなしに怒らない
頭ごなしに怒らないことで、部下の心理的安全性を確保できます。
感情的な叱責は、部下の萎縮を招き、創造性や主体性を阻害する結果となります。
仮に部下が大きなミスをした場合でも、まず事実確認を行い、冷静に改善方法を話し合います。
建設的な指導により、部下の成長を促すことができます。
認める・褒める習慣を持つ
認める・褒める習慣を持つことで、部下のモチベーション向上につながります。
問題点の指摘だけでなく、良い行動や成果に対する評価も同じくらい重要です。
例として、小さな改善でも「気づきが素晴らしい」「頑張りが結果に表れている」と具体的に褒めます。
適切な評価により、部下の自己肯定感と向上心を育むことができます。
自分も成長し続ける姿勢を示す
自分も成長し続ける姿勢を示すことで、部下の学習意欲を刺激します。
管理職だからといって完璧である必要はなく、共に成長する姿勢が信頼を生みます。
具体的には、新しいスキルを学んだり、セミナーに参加したりする様子を部下に見せます。
上司の学習姿勢が、部下にとって良い手本となり、組織全体の成長につながります。
言うことを聞かない部下への疑問

部下の指導に悩む管理職から、よく寄せられる質問をまとめました。
それぞれの状況に応じた適切な対応方法を理解することが重要です。
具体的なケースを通じて、実践的な解決策を見つけていきましょう。
- 優秀な部下が言うことを聞かない場合はどうする?
- 言うことを聞かない部下を辞めさせるのはあり?
- 言うことを聞かない部下は上司を無能と思ってる?
- 言うことを聞かない部下は病気?
- 言うことを聞かない部下はクビになりやすい?
優秀な部下が言うことを聞かない場合はどうする?
優秀な部下が指示に従わない場合は、プライドや自信が原因となっている可能性があります。
このタイプの部下には、頭ごなしに命令するのではなく、論理的な説明と尊重の姿勢が必要です。
たとえば「君の経験を活かしつつ、今回は会社の方針に合わせてほしい」と理由を添えて依頼します。
優秀な部下の能力を認めながら、組織としての統一性を保つことが大切です。
言うことを聞かない部下を辞めさせるのはあり?
部下を辞めさせることは、改善の可能性をすべて試した後の最終手段として考えるべきです。
法的な問題や組織への影響を慎重に検討する必要があります。
具体的には、指導記録の作成、人事部との相談、改善計画の実施などの段階的なアプローチを経てから判断します。
安易な解雇ではなく、双方にとって最良の解決策を模索することが重要です。
言うことを聞かない部下は上司を無能と思ってる?
部下が上司を無能だと思っている場合もあれば、単純に理解不足の場合もあります。
重要なのは、その原因を正確に把握して適切に対応することです。
仮に過去の失敗や判断ミスが原因で信頼を失っている場合は、謝罪と改善を通じて関係修復を図ります。
部下の真意を確認せずに憶測で判断することは避けるべきです。
言うことを聞かない部下は病気?
精神的な不調や発達障害などが原因の可能性も考慮する必要があります。
ただし、医学的な判断は専門家に委ね、職場では適切なサポート体制を整えることが重要です。
例として、産業医への相談や、人事部と連携した配慮措置の検討を行います。
病気の可能性を疑う場合は、慎重かつ配慮深い対応を心がけましょう。
言うことを聞かない部下はクビになりやすい?
問題行動を改善しない部下は、結果的に退職や解雇のリスクが高まります。
しかし、適切な指導と改善機会の提供なしに処分することは避けるべきです。
具体的には、改善計画の作成、定期的な評価、人事制度に基づいた公正な判断が必要です。
最終的な判断は、会社の方針と法的要件を満たした上で行うことが重要です。
言うことを聞かない部下に苦労した話

筆者も過去に言うことを聞かない部下に深く悩んだ経験があります。
新卒で配属された部下は、期日までに資料作成をするように何度も伝えているのに、まったく手をつけませんでした。
「ここの数値を修正して」「レイアウトを統一して」と具体的に指示しても、翌日には何も変わっていない状態が続いたのです。
最初は「やる気がないのだろう」と感じて、厳しく注意したこともありました。
しかし状況は改善されず、筆者自身もストレスを感じるようになり、「もう放置しようか」と諦めかけていました。
そんな時、筆者の上司から「もっとコミュニケーションを取ってみたら?一方的に指示するだけでは伝わらないこともある」とアドバイスをもらったのです。
そこで思い切って、指示を出すだけでなく隣に座って一緒に作業を進めてみました。
すると部下から「実はどこから手をつけて良いのかわからなかった」「完成イメージが見えなくて不安だった」という本音を聞くことができました。
一緒に手を動かしながら作業の進め方を教えたところ、部下の表情が明らかに変わり、その後は積極的に業務に取り組むようになったのです。
この経験から、部下が言うことを聞かない時は、まず対話から始めることの大切さを学びました。
まとめ
言うことを聞かない部下を放置することは、一時的には楽に感じるかもしれませんが、業務効率の低下やミスの増加など深刻なリスクを招きます。
部下が指示に従わない背景には、自信のなさやストレス、上司への不信などの心理的要因が隠れています。
自己中心的で指示に従わず、やる気が見えない部下であっても、適切な対応によって改善は可能です。
まずは行動を観察し、対話で原因を探ることから始めましょう。
明確な指示を出し、小さな成功体験を積ませながら、こまめなフィードバックを行うことが重要です。
上司として公平で一貫性を持ち、部下の話をしっかり聞く姿勢を示してください。
頭ごなしに怒るのではなく、認める・褒める習慣を持ち、自分も成長し続ける姿勢を見せることで信頼関係を築けます。
優秀な部下が言うことを聞かない場合でも、尊重の姿勢を忘れずに論理的に説明すれば理解を得られます。
問題のある部下への対応は確かに困難ですが、適切な指導方法を実践することで、必ず良い方向に導くことができるでしょう。