教習指導員はやめとけ？メリットと注意点から適性まで完全ガイド

車が好きだと教習指導員の仕事をやりたくなりますが、実際に応募するか迷いますよね。

いざ教習指導員として働くとなると、資格取得の難しさや忙しさ、責任の重さなどがあります。

興味はあっても、「自分に向いているだろうか？」と不安になり、なかなか応募できませんよね。

実際のところ、教習指導員は「やめとけ」と批判されがちですが、決してきついばかりではありません。

教習指導員としてのメリット・デメリットを把握することで、応募前に心構えができるでしょう。

今回の記事では、「教習指導員として働くメリット・デメリット」について解説します。

教習指導員としての現実を知ってから、本当に応募するべきか検討しましょう。

教習指導員の仕事内容

教習指導員の仕事内容は、自動車免許を取得しようとする教習生に対して、安全で正しい運転技術を教えることです。

教習所での学科指導や実技指導を担当し、教習生が法規を理解し、安全な運転を習得するためのサポートを行います。

また、教習指導員は教習生の技量に応じて個別の指導計画を立て、定期的に評価を行い、適切なフィードバックを提供する役割も果たしています。

教習指導員の仕事内容は多岐にわたり、教習所内の事務作業や管理業務も含まれることがあります。

たとえば、教習生のスケジュール管理や、教習車の点検整備、事故防止に関する会議への参加などです。

これらの業務を通じて、教習指導員は教習生の安全な運転能力の向上を支援し、交通事故の減少に寄与する重要な役割を担っています。

教習指導員はやめとけと言われる理由

教習指導員の仕事を調べると、「やめとけ」「きつい」といった、ネガティブな口コミが目立ちます。

このような批判的な意見があると、良い求人があっても応募するか迷いますよね。

ここからは、教習指導員はやめとけと言われる理由についてご紹介します。

資格取得が難しい

教習指導員として働くためには、国家資格である「教習指導員資格」を取得する必要があります。

筆記試験や実技試験、さらには適性検査など、多岐にわたる試験をクリアしなければなりません。

特に、実技試験では高い運転技術が求められ、失敗すれば再受験が必要となるため、精神的な負担も大きいです。

また、運転免許の技能試験を通過した後も、教習指導員になるために追加の専門知識や高度な運転技術が求められます。

資格取得までの過程が大変であるため、挫折する人も多くなるでしょう。

繁忙期は忙しい

教習所には繁忙期が存在し、特に春休みや夏休みの時期は、教習生が大幅に増加します。

そのため、教習指導員は長時間にわたる指導を求められることが多く、心身ともに疲労が蓄積されやすいです。

特に休日や祝日でも勤務が続くことがあり、プライベートの時間が制限されることも珍しくありません。

たとえば、夏休み期間中は学生の教習生が増えるため、朝から夜遅くまで教習が組まれることが一般的です。

このような状況では、休憩時間も短くなり、指導員としての体力と精神力が試されるでしょう。

高い責任感が必要

教習生が安全に運転技術を習得できるよう指導するため、高い責任感が求められます。

教習生が交通事故を起こさないようにすることが大前提であり、適切な指導や助言を行う必要があるからです。

特に実技指導では、教習車の安全を確保しつつ教習生を教育するため、常に緊張感を持って業務に当たる必要があります。

例として、初心者の教習生がハンドル操作を誤った場合、指導員は瞬時に補助ブレーキを踏むなどして安全を確保しなければなりません。

一瞬の判断が求められる場面が多く、常に注意を払う必要があります。

疲労が溜まりやすい

業務は長時間にわたることが多く、教習生一人一人に対して集中して指導する必要があります。

そのため、精神的にも肉体的にも疲労が溜まりやすいです。

たとえば、一日の中で複数の教習生に対して指導を行い、それぞれの進捗状況や学習スタイルに合わせた指導が求められることから、体力だけでなく精神的なエネルギーも多く消耗します。

勤務時間外でも自分自身の運転技術を高めるために、練習や勉強を続ける必要があり、休む暇が少ないと感じるでしょう。

教習生のハラスメント

教習指導員は、時に教習生からのハラスメント行為に遭うことがあります。

教習中の不満やストレスが原因で、指導員に対して暴言を吐いたり、不適切な態度を取る教習生が存在するからです。

例として、教習生が指導中に怒鳴ったり、指導内容に対して執拗に批判するケースが挙げられます。

このような状況に対処するには、高い精神力と適切なコミュニケーション能力が必要になるでしょう。

教習指導員として働くメリット

教習指導員の仕事は否定されやすい反面、良い部分もたくさんあります。

ここからは、教習指導員として働くメリットをご紹介します。

仕事のやりがいを感じやすい

教習指導員の仕事は、教習生に運転の技術や交通ルールを教え、安全なドライバーとして育てることです。

教習生が無事に免許を取得し、成長する姿を見届けることができるため、仕事のやりがいを感じやすい職業です。

たとえば、苦手だった教習生がスムーズに運転できるようになったり、免許試験に合格したという報告を受けると、大きな達成感を感じられるでしょう。

直接的なフィードバックがあるため、モチベーションを保ちながら仕事に取り組むことができます。

多様な人々との出会い

教習指導員は、さまざまな年齢や職業、性格を持つ教習生と出会い、コミュニケーションを取る機会があります。

これにより、自分の視野が広がり、多様な人々との関わりを通じて人間関係のスキルを磨くことができます。

例として、学生や主婦、会社員、高齢者など、多様なバックグラウンドを持つ人々と接することで、それぞれの価値観や考え方を理解し、柔軟な対応ができるようになります。

新しい発見や学びが多く、刺激的な環境で仕事ができることも大きなメリットです。

説明力や指導力が向上する

教習指導員として働くことで、教習生にわかりやすく説明し、指導するスキルが自然と向上します。

複雑な交通ルールや運転技術を教える際には、相手の理解度に合わせて言葉を選び、適切なアプローチで説明する必要があるからです。

初心者には基本的な運転技術から丁寧に説明し、経験者にはより高度なテクニックやリスク管理について指導するなど、相手のレベルに応じた柔軟な指導が求めらます。

このような経験を積むことで、説明力や指導力が大幅に向上し、他の職種でも役立つでしょう。

閑散期に休暇が取りやすい

教習所は繁忙期と閑散期がはっきりしているため、閑散期には比較的自由に休暇を取ることができます。

閑散期には仕事の負担が軽くなり、プライベートな時間を確保しやすいです。

たとえば、夏休みや長期休暇の時期が過ぎると、教習生の数が少なくなるため、休暇も取りやすくなります。

こうした柔軟な働き方が可能であるため、ライフワークバランスを重視する人にとっても魅力的な職業です。

キャリアアップの基準が明確

教習指導員の仕事には、明確なキャリアアップの基準があります。

教習指導員としての経験を積み、一定の評価を得ることで、管理職への昇進や、教習所内でのリーダー的なポジションに就くことが可能です。

たとえば、指導力の向上や教習所内での実績に応じて、教習所のマネージャー職や、運転適性検査を担当する検定員としての道が開けます。

指導員としての技術をさらに高めることで、高度な専門知識や技能を持つ「検定員」を目指せるでしょう。

教習指導員に向いている人の特徴

教習指導員の仕事にも向き・不向きがあります。

向いている人だと楽しく働ける一方、そうでない人は辛くなるでしょう。

ここからは、教習指導員に向いている人の特徴についてご紹介します。

車の運転が好き

教習指導員に向いている人の大きな特徴は、車の運転が好きであることです。

教習指導員の仕事は、毎日多くの時間を車の中で過ごしながら、教習生に対して運転の技術や知識を教えます。

そのため、運転自体に楽しさややりがいを感じられる人であれば、仕事に対する情熱を持ち続けることができます。

たとえば、長時間の運転や車内での指導を苦に思わない人や、新しい運転技術を学ぶことに興味がある人は、教習指導員として適性があります。

車の運転が好きであれば、自然と仕事に対するモチベーションも高くなるでしょう。

教えることが好き

運転技術や交通ルールを教えることが主な業務であるため、教えることが好きな人に向いています。

教えることにやりがいを感じられる人は、教習生の成長を一緒に喜び、良い指導者としての関係を築くことができるからです。

具体的には、教習生が困っているポイントを理解し、それに応じたアプローチをしなければいけません。

人に教えるプロセスが楽しいと感じる人は、良い指導員になれるでしょう。

忍耐力がある

教習指導員には、高い忍耐力が求められます。

運転に不慣れな教習生には、何度も同じことを教えなければならないからです。

たとえば、教習生が何度も同じミスを繰り返した場合でも、繰り返し説明し、指導を続けなければいけません。

このような忍耐力があれば、教習生が安心して学べる環境を提供することができるでしょう。

判断力がある

教習指導員として働く上で、瞬時に適切な判断を下す能力が求められます。

実技教習中は、教習生が予期せぬ行動を取ったり、交通状況が急に変化するがあるからです。

例として、教習生が突然ブレーキを踏むのを忘れた場合でも、瞬時にハンドブレーキを引いて停車させるなど、状況に応じた素早い対応が必要になります。

判断力があることで、教習生の安全を確保し、より効果的な指導が行えるでしょう。

社会貢献意識が高い

教習指導員の仕事には、交通安全を普及させ、事故を防ぐという重要な社会的役割があります。

交通事故を減らし、安全な社会を作るための教育に携わることは、社会的な意義が大きく、貢献度の高い仕事です。

具体的には、教習生が安心して車を運転できるようにサポートすることや、地域の交通安全イベントに参加して啓発活動を行うなどがあります。

こうした活動に情熱を持って取り組める人は、教習指導員としての使命を果たすことができるでしょう。

教習指導員として働く際の注意点

教習指導員として働くのであれば、さまざまなことに意識を向けなければいけません。

ここからは、教習指導員として働く際の注意点をご紹介します。

安全第一

教習指導員として働く上で最も重要なことは、「安全第一」を徹底することです。

教習中は、教習生が未熟な運転技術で道路を走行するため、予期せぬ事態が発生しやすいです。

たとえば、教習中に突然のブレーキや急なハンドル操作が必要な状況が発生した場合、指導員は即座に判断し、補助ブレーキを踏むなどして事故を防がなければいけません。

常に「安全第一」を念頭に置きながら業務を行うことが、教習生と他の交通参加者の命を守ることに繋がるでしょう。

自己学習を続ける

教習指導員は、常に自己学習を続ける必要があります。

交通ルールや法規は頻繁に改正されるため、最新の情報を常に把握しておくことが求められます。

また、新しい運転技術や指導方法を学び続けることで、教習生に対してより質の高い指導を提供することが可能です。

具体的には、交通法規の改正情報を定期的にチェックし、関連するセミナーや研修に参加することで、最新の知識を得られます。

自己学習を続けることで、教習生に対して信頼性の高い指導を行うことができ、自分自身のキャリアアップにも繋がるでしょう。

ストレスを溜めない

教習指導員の仕事は、教習生との接触や長時間の勤務などからストレスが溜まりやすいです。

そのため、ストレスを適切に管理し、溜めないようにしなければいけません。

たとえば、業務後にはリラックスする時間を設けたり、趣味や運動で気分転換をしてください。

ストレスを溜め込まないことで、心身ともに健康を保ち、教習指導員として長く続けることができるでしょう。

教習生と信頼関係を築く

教習生との信頼関係を築くことは、効果的な指導のために非常に重要です。

教習生が指導員を信頼することで、安心して指導を受けられる環境が整い、より効率的に運転技術を習得することができます。

例として、教習生の進歩や努力をしっかりと認め、適切なフィードバックを与えることが信頼関係を築く鍵となります。

また、教習中に丁寧で誠実な対応を心がけることで、教習生からの信頼を得られるでしょう。

曖昧な伝え方をしない

教習指導員は、教習生に対して明確かつ具体的な指示を出すことが求められます。

運転中の指示が不明確であると、重大な事故につながるリスクがあるため、常に分かりやすく、具体的な言葉で説明することが大切です。

たとえば、「次の信号を左折してください」というように、指示は明確で具体的な言葉を使い、教習生が理解しやすいアドバイスが必要になります。

また、教習中にわからないことがあれば、しっかりと質問してもらえるような雰囲気を作ることも重要です。

教習指導員に必要な面接対策

教習指導員として働くためには、通常の面接対策の他に、教習指導員ならではの面接対策が必要です。

ここからは、どのような面接対策をすれば良いかについてご紹介します。

安全運転の重要性を頭に叩き込む

安全運転の重要性を深く理解し、それを伝える能力が教習指導員には不可欠です。

事故統計や予防策など、具体的な情報を交えて説明できると、より説得力が増します。

たとえば、「安全確認の徹底により、交差点事故の◯%は防げる」といった具体的な数字を調べてください。

面接官に安全運転への真摯な姿勢が伝わるよう、日頃から安全運転について考え、その重要性を語れるようにしましょう。

指導経験をアピールする

指導経験は、教習指導員としての適性を示す重要な要素です。

過去の指導経験を具体的に説明することで、あなたの指導力やコミュニケーション能力をアピールできます。

また、指導経験がない場合でも、人に何かを教えた経験や、リーダーシップを発揮した場面を思い出し、それらを指導力の証として活用します。

例として、「サークルの後輩に運転のコツを教えた際、視覚的な説明を心がけたところ、理解が早まった」といったエピソードでも構いません。

自信を持って自分の経験を語り、指導者としての適性をアピールしましょう。

基本的な交通法規を学ぶ

教習指導員として、交通法規に関する深い知識は必須です。

最新の交通法規や改正点にも注目し、それらの背景や意義について理解を深めてください。

具体的には、「一時停止の際の安全確認方法」や「交差点での右折時の注意点」など、日常的によく遭遇する場面での法規の適用例を説明できるようにしておきます。

面接官に交通法規への理解度と、それを分かりやすく説明することで、好印象を与えられるでしょう。

模擬教習の練習をする

模擬教習の練習は、実際の指導場面を想定した準備として効果的です。

友人や家族に協力してもらい、実際に指導する場面を想定してロールプレイングを行ってください。

たとえば、「右折の際の安全確認」を教える場面を設定し、どのように説明するか、どんな点に注意を促すかを実践してみます。

模擬教習の経験を積むことで、自信を持って面接に臨めるようになるでしょう。

教習所の特徴を理解する

志望する教習所の特徴や方針を事前に調べることは、面接対策として非常に重要です。

教習所の理念や特色を理解していることで、あなたの熱意と準備の良さをアピールできます。

例として、「貴教習所の地域密着型の安全運転啓発活動に共感し、私も地域の交通安全に貢献したいと考えています」といった具体的な志望動機を準備しておきます。

教習所の特徴を理解し、それに合わせた自己PR ができれば、面接官に好印象を与えられるでしょう。

教習指導員に関するよくある疑問

教習指導員の話はあまり表にでてこないため、どんな仕事なのかわからない人は多いです。

ここからは、教習指導員に関するよくある疑問について解説します。

教習指導員に将来性はある？

教習指導員には将来性があります。

運転免許の取得が社会的に必要である限り、教習所が存在する意義があるからです。

また、交通安全の重要性が増す中で、質の高い指導が求められているため、教習指導員の役割も拡大しています。

たとえば、ライドシェアや自動運転など、新しいサービスや技術が導入される場合、誰かが教えなければいけません。

その役割を担うのは教習所であり、教習指導員になるため、今後も需要はあるでしょう。

教習指導員は離職率が高い？

教習指導員の離職率は他の職種に比べてやや高い傾向にあります。

その理由としては、資格取得の難易度や、教習生の安全を守る責任の重さ、繁忙期の忙しさなどが挙げられます。

特に精神的な負担が大きいことから、長期間続けることが難しいと感じる人もいます。

例として、教習生のミスやクレーム対応、繁忙期の連日の長時間労働が原因で、ストレスを感じて離職するケースがあるでしょう。

しかし、一方でやりがいを感じて長く続ける人も多く、離職率は個人の適性や職場環境によって異なります。

教習指導員の給料はどのくらい？

教習指導員の給料は地域や教習所の規模、指導員の経験や資格の有無によって異なりますが、一般的には年収300万円から500万円程度です。

参考：教習指導員の仕事の平均年収は301万円／平均時給は1,101円！給料ナビで詳しく紹介｜求人ボックス

日本の平均年収と比較すると低い傾向にあり、儲からない仕事だと言われています。

しかし、教習所によっては、繁忙期の手当やボーナスが支給される場合もあります。

たとえば、都市部の大規模な教習所で働く指導員の方が、地方の小規模な教習所の指導員よりも高い給与を得る傾向があります。

全体的に低い水準であることは確かですが、資格を取れば年収に加算されるでしょう。

教習指導員は教習生と恋愛に発展する？

教習指導員は教習生が恋愛に発展する可能性はあります。

車の中は密室であり、教習中に仲良くなってもおかしくないからです。

ただし、教習所では基本的に教習生との恋愛関係を禁止する方針が多く、プロフェッショナルな立場を守られます。

たとえば、教習中に教習生との関係が公私混同になった場合、教習生からの信頼を失ったり、教習所全体の評判を損なうリスクは見逃せません。

教習指導員としての職務を全うするためには、プロフェッショナルな距離感が必要になるでしょう。

「ごめんなさい指導員」とはなに？

「ごめんなさい指導員」とは、教習生が苦手な教習指導員を指定し、次回からその指導員に当たらないようにするシステムです。

この制度は、教習生が安心して運転技術を学べる環境を提供するために設けられています。

教習生が嫌な指導員の変更を希望することができるため、教習生にとってストレスを軽減する効果があります。

ただし、指導する側としては「ごめんなさい指導員」にならないようにする必要があり、しっかり対応できなければいけません。

今後の評価にも関わってくるため、注意しましょう。

まとめ

教習指導員の仕事は、多くのやりがいとチャレンジが伴う職業です。

主なメリットとして、仕事のやりがいを感じやすく、多様な人々との出会いを通じて自身の説明力や指導力を向上させることができます。

閑散期には比較的自由に休暇を取ることができ、キャリアアップの基準が明確であるため、目標を持って働きやすい環境も整っているでしょう。

一方で、教習指導員として働くデメリットも考慮する必要があります。

資格取得の難しさや繁忙期の忙しさ、教習生のハラスメント、そして高い責任感と疲労感が伴うため、精神的・肉体的な負担が大きい職種でもあります。

また、教習生との信頼関係の構築や自己学習の継続、安全管理など、注意を払わなければならない点も多いです。

教習指導員に向いているのは、車の運転が好きで教えることが得意、忍耐力があり、判断力や社会貢献意識の高い人になります。

将来性や給料に関する不安はありますが、必要なスキルや経験を積むことでキャリアを築くことが可能です。

教習指導員としての魅力と課題を理解し、自分に合った道を選んでください。